さらんご〜らのフィリピンで隠居暮らし
“さらんご〜ら(saranggola)”とは、タガログ語で「凧」の意味です。
隠居暮らし事典
まみむめも
任せる → 任せなさい
 仕事などを人にゆだねる
 人の自由にさせる、好きなようにさせる
 そのままにしておく、放っておく
 自然の勢いのままにしておく

 タガログ語 Kayang kaya ko
 フィリピン人に相談事をしたり、仕事ができるか...などと訊きますと、必ずと言って良いほどに“Kayang kaya ko”(「任せなさい」)とか、“Kaya ko’(「できるよ」)と言います。「知らない」、「できない」とは言いません。もし、否定的なことを言ってしまえば、その時点で仕事や賃金を得るチャンスを失ってしまいます。そこで、例え知識や経験が無くても...「任しておけ、知っている奴を探しておく」、「大丈夫、俺ができるよ」などと答えます。これを当てにして待っていると、いつまでたっても事が始まりません。

 また、「任せなさい」を信じて任せると、飛んでもない結果になる場合があります。水道の蛇口の交換を頼むと、水道管の接合部分を壊してしまう場合があります。看板をあげている車の修理工場でも同じです。ラジエーターの水漏れの修理を頼みますと、エアコンを壊してしまう場合があります。屋根のペンキ塗りを頼むと、屋根に穴をあけて雨漏りを起こしてしまいます。蛇口を直して水道管修理...、ラジエーターを直してエアコンの修理...、ペンキ塗りをして雨漏りの修繕を作っていきます。彼らの「任せなさい」は、当面の目的を為すためだけに使われます。
マン・ツー・マン・ディフェンス
 バスケットボール、 サッカー、ラグビー、ホッケーなどで、各プレーヤーが相手チームの個々のプレーヤーを 分担してマークする防御法。“マンツーマン”ともいう。

*ゾーン・ディフェンス
 バスケットはフィリピンの国技的なスポーツです。
大通りを一角曲がった路地...、或いは、田舎の小さな街の広場...、フィリピン全国、津々浦々にバスケット・コート、
リングがあり、老若男女がひとつのボールを追いかけて、ゲームを楽しみます。そのバスケット・ボールにはマン・ツー・
マン・ディフェンスなる戦法があります。一方のチームのプレーヤーが相手のチームのプレーヤーを分担してマークす
る防御方法です。つまり、相手の前進を拒み、ボールを持つことを邪魔し、自由なプレーを妨げます。

 日常、TVでNBAやPBA、カレッジ・リーグなどのゲームを観ていると、マン・ツー・マン・ディフェンスが自然に身について
しまうようです。結果、道路、駅、広場、ショッピング・モール...などなど、人が自由に行き来できる場所では、人の直前
を横切る、人の進行方向に割り込んでくるなどのマン・ツー・マン・ディフェンスが繰り広げられます。
 デパートや書店、携帯電話店などで、商品や本、ショーケース越しに携帯電話を見ています。商品の陳列棚や書棚、
ショーケースとの間に、僅かな隙間があると人が入ってきます。時には通り過ぎ、時には立ち止まり、時には店員までも
が同じ行為を繰り返します。人の前を横切り、立ちはだかる行為は日本では御法度、バッド・マナーとして躾けられます。
 年寄りには、なかなか受け入れにくい行為のひとつですが、注意したところで、到底、理解されることではありません。
この人たちが、車に乗って、ハンドルを握るのですから、道路は大混乱、時には大渋滞を起こします。

マン・ツー・マン・ディフェンスの実例
横断歩道を渡る歩行者 VS 車
 歩行者が横断歩道を渡ります。通りかかった車は、クラクションを鳴らしながら歩行者を蹴散らします>車の勝ち
 歩行者の進行を車が邪魔できず、歩行者が勝ちほこったように、亀の如くゆっくりと歩きます>歩行者の勝ち

化学式“HO”で表わされる水素と酸素の化合物。通常は摂氏100度で沸騰し、0度で凍る。
3種類の水
 用途でいうと、飲料や料理に使われる水、洗濯やシャワーなどに使われる水、そして大雨や台風で被害をもたらす...招かれざる水などがあります。

 飲料水は5ガロン(約19リットル)の容器に入ったもので、25ペソから30ペソで販売されています。主に、飲用、料理用に使われます。一般的にミネラル・ウォーターと呼んでいますが、フィルターを通した水です。ミネラル・ウォーターとして自他ともに認めるものは500mlで20ペソほどします。
 洗濯や食器の洗浄、シャワー、庭の水撒きには、MAYNILADの水を使います。
2010年に新設されたMAYNILADによって、我が家では井戸から水を汲むことも、デリバリー水のお世話になることもなくなりました。
 そして、洪水や土砂崩れをもたらす大雨や台風が降らす雨の水です。
フィリピン中で道路冠水や土砂崩れなどを起こし、厄介な水です。

MAYNILADでコーヒー...、冷やし中華は...?
 2014年の復活祭の折、BF内で営業しているコーヒー・ショップ、レストランを探しました。
先ずは行きつけの店へ行って、コーヒーを注文すると「水が無い!」と言います。最初は『何を言っている?』と思ったのですが、この時、MAYNILADが水道管のメインテナンスをするために計画的な断水になっていたことを思い出しました。
『MAYNILADの断水とコーヒー、何の関係がある?』と思いました。
そして思い付いた結論は...ここのコーヒーは飲料水を使ってない!!
それ以来、この店を利用しなくなりました。そして、もう1軒のコーヒーショップでも、同じことを言われました。
『家では歯磨きの後のうがいでさえ飲料水を使っているのに、何が悲しくてMAYNILADを飲まなきゃなんねんだ!!』
 
 どうやら、コーヒーに飲料水は使わないのが普通のようです。
その後、コーヒーを飲む、注文する前に5ガロン入りの容器があるか、無いかを見るよになりました。
そして、更なる不安が...!!
ラーメンのスープは...? ご飯を炊く水は...?  麺を茹でる水は...?
その不安は、冷やし中華やざるそばにも及びました。
 冷やし中華、ざるそばの麺を茹で、麺を洗う冷水は...MAYNILAD、それとも飲料水...?
その不安を払しょくできない今、冷やし中華、ざるそばの類は自宅で食べるものになりました。 
南十字星
南の空に見える十字架の形をした最も小さな星座
フィリピンに住みついて16年目にして、初めて南十字星を見つけました。
マニラでは見えない...!?
地平線付近が開けていないと見えない...!?と諦めていました。
しかし、2015年4月、ほぼ南北に走っている我が家の前の道を南に向かって10メートルほど歩きました。そして、何気なく真正面を見上げますと...、
あら...?、
なに...?
えっ...、南十字星!!

 この時は、北の空に北斗十字星...、西の空に月と土星...、
ちょっと幸せな気分になる...天体ショーでした。

 後日、南十字星について調べてみました。
南十字星は沖縄でも見ることができるそうです。ここマニラですと16度ぐらいの高さで見えるそうです。しかし、近くには本物の南十字星よりちょっと大きな“ニセ南十字星”があるそうです。本物の南十字星の左には、目印になる明るい星がふたつあります。また、十字架の左には“炭袋”と呼ばれる黒い部分があります。
南半球化
 南半球
 地球を赤道で二分したときの南側の半球
 赤道から南の部分


北半球と南半球では、季節が反対になります。
雲や水の渦巻きの方向が逆になります。ただし、気象規模の問題だそうです。
北半球でも南半球で起こる自然現象を南半球化とします。

 太陽は南半球とは言えども、東から上り、西に沈むのは同じです。
しかし、南半球では東で上った太陽は、東西を結ぶ線より北側を通ります。
北半球においても、同様のことが起こります。

 夏至は、6月22日前後になります。
夏至の時期、東から上った太陽は南側を通らず、北側を通ります。
これは、地球の地軸が23.4度傾いているために起こります。
マニラの緯度はおよそ北緯14.5です。
地軸の傾きの角度より小さいので、この時期に限って南半球化し、
北寄りの東から上った太陽は、東西を結ぶ線より北側を通ります。
従って、太陽が最も高い位置に達する正午でも、木々の影は南側にあります。



この写真2012年6月23日11:59のの撮影です。
写真の手前が東、奥が西ですが、マンゴーの影は南側にあります。
在比12年目にして気づきました。
ミルク
乳一般のこと
 一般的には牛乳と言いますが、「乳製品、加工乳などは牛乳ではない!」とおっしゃる方もいらっしゃいますので、ここではあやふやにするために...ミルクとしました。

 日本にいるころからミルクを飲みますと、お腹がゴロゴロ...、調子が悪くなってしまいました。そこで、1リットル入りのパックを買うとき、そこに“アカディ調整”などと書かれたものを買って、飲むようになりました。このミルクですと...大丈夫でした。今になって分かったことですが、乳糖不耐症という体質だそうです。体質を治す手立てはないようです。日本ですと“アカディ調整”がありましたが、こちらにでは見かけたことがありません。従って、ゴロゴロ覚悟で飲むか...、飲まないか...の選択に迫られます。

 それでもミルクが飲みたい!...となると、いろいろなミルクを試してみます。パックに入った液体のミルクは、殆どが全滅でした。それに、賞味期限が何か月もあるミルクは...どことなく嫌な気持ちが先になってしまいます。そこで、粉ミルクを物色したのですが、何種類か飲んで試したところ、ゴロゴロしないミルクを発見しました。しかし、絶対に大丈夫!!...という太鼓判は、まだ、押せません。正直、恐る恐る...翌日、出かける予定の無い日の前夜限定です。

ゴクゴク...と、ミルクを飲みたい!!
目薬
“点眼薬”、“点眼液”の通称で、目に直接投与する液状の薬である。
薬事法で医薬品に分類されている。
市販されているものと薬局で処方箋なしで買える もの、医師から処方されるものがある。
2015年の1月、某SM内の薬局で探しましたが、目薬がありませんでした。
それ以前、はっきりした日付は憶えていませんが2014年の9月ごろは、同じ薬局で買うことができたのに...。
最後に行った薬局で尋ねました。
すると、目薬を買うには医師からの処方箋が必要になった...と。
目薬を買うには処方箋が必要!!...??

 ちょうど日本に居る義妹の渡比予定がありました。
真っ先に頼んだ貢物が...PC疲れに効く目薬でした。
もどき
 似せて作ること
 似せて作ったもの
 まがいもの
もどき体操
 隠居のBLOGやFACEBOOKなどに度々出てくる...“もどき”体操です。
毎朝起きると、最初にするのが窓、ドアを開け放って空気の入れ替えをします。
これは日本に居た頃からの日課で、冬はカミさんに嫌われていました(笑)。

 次にすることが亡父母に水を上げます。
そして、お湯を沸かしてお茶をいれたり、コーヒーをセットして...、次に行うのが“ラジオ体操もどき”です。

 小学校時代から身体に叩きこまれたNHKラジオ体操第1と第2...、
これに高校時代の“○○校体操”...、
最初の内はこれを全てやっていたのですが、次第にアレンジされ、端折られ...、
ラジオ体操ともつかない...、○○校体操でもない...隠居独自の体操が出来上がりました。
その日の気分、体調によってアレンジされる朝の体操が“ラジオ体操もどき”、略して...“もどき体操”です。

日本料理もどき
 これもBLOGやBF探検隊の中で使っています。
日本料理の定義を知りません。
ですから、滅茶苦茶...独善的な定義です。

 まず、日本料理を知らないフィリピン人客相手に出している料理が“もどき”です。
典型は...目玉焼きののったカツ丼!(笑)
最近はめっきり見なくなりました。
でも、目玉焼きののった350ペソの“カツ丼もどき”を発見しました。
普通のカツ丼が、何故か...スペシャルだそうです。

 ヤキトリや鯖の塩焼き、つくねの串焼きがのった...ちらし寿司
いくらちらし寿司を知らない客相手とはいえ、ヤキトリをのせていては駄目です。
それも800ペソも取っては...。

 タコの入っていないたこ焼き...、あれは小麦粉ボール、
かつてSMにあった...チキントンカツも、そのひとつですね。
 
 日本料理独特のマナー教育のされていない店で出す料理も”もどき”です。
定食、セットものを注文して、最初に出てくるのが...味噌汁。
西洋料理のコースでは最初にスープが出てきますので、同じだと思っているのでしょう。
もちろん、先のヤキトリや鯖の塩焼きの入ったちらし寿司を出している料理屋さんも“もどき”です。

 更にもうひとつ...、定食、セットものの場合です。
ご飯と味噌汁の位置が...反対!
逆膳は...まずいでしょう、最低線の教育ですよね。

 マンゴーの入った...のり巻き!
これは...いいかっ!(笑)

 イタリアにスパゲティーのナポリタンは無いそうですし、オーストリアにウインナー・コーヒーも無いそうです。
インド人に言わせれば、日本のカレーはカレーじゃない!...と言うかもしれませんし、
日本のラーメンや餃子も、中国人からみれば...“もどき”かもしれませんしね。
物乞い
他人に物を恵んでくれるように頼む こと。また、その人。乞食(こじき)。
 物乞い...と言えば、繁華街に出没...、常駐する子供たちです。
ホテルや飲食店の前には、必ずと言ってよいほど、数人、場所によっては数十人の子供たちがいます。ホテルや飲食店から出てきた客にまとわりつき、小銭をせがみます。サンパギータ売りを装う子供もいます。かつて、BF近辺の飲食店や駐車場に出没する子供たちは、近くに寄っては来るものの、決して身体に触ったりすることはありませんでした。しかし、最近は汚い手で腕を突っついてきたり、Tシャツを引っ張たり、手口が強引になってきました。

 また、盲目(のように見える)の人や老人の手を引いたり、乳飲み子を抱っこして、信号待ちをしている車の窓ガラスを叩いて、小銭をせがむ...伝統的な手口もあります。健常者でも、大卒でも就職難のお国柄ですから、身障者やお年寄りがお金を稼いで、暮らしていくのは大変なことです。つい、同情してしまうのですが...。

 それがクリスマスシーズンともなりますと、そりゃあ〜大変です。
“メリークリスマス”という挨拶=何かくれ!”...の方程式が出来上がります。空港職員が利用客に向かって“メリー・クリスマス!”と言うことが禁止されるほどです。空港当局が禁止するということは、彼ら自身がその意味を理解しているということで、我々不慣れな外国人のみが感じることではなさそうです。

 これがマニラ国際空港では、クリスマスに限らず...1年中です。
経験として...マニラ国際空港に到着すれば、かつては入国審査、今でも税関、更には荷物を運ぶポーター、セキュリティー・ガード、警察官までが、“チップ”、“気持ちだけ”、“1000円、1000円”と言ってきます。フィリピンへ来た来た人たちにとっては不愉快極まりない行為です。初めてフィリピンに来たとき、隠居は脅かされているように感じました。

 タクシーに乗ればメーターを倒さず、正規料金の2倍、3倍の料金を言ってきます。
商品に値段の付いてないお店で買い物をすれば、ぼったくられます。
観光地のカレッサは“ハンドレッド・オンリー”しか言いません。100ドルと100ペソでは40倍以上も違います。こんな詐欺のような行為でさえ横行しています。これらの手口を数え上げたらきりがありません。

 こういう物乞いの領域を超えた人々を含めて、人によってはフィリピンを評して...“1億、総乞食!”と言って止まない人がいます。もちろん、フィリピンの大統領が日本へ来た時、総理大臣との会談のテーマは経済援助です。APECやASEAN会議でも同様で、物乞い外交とも言われる所以です す。

物乞い2G、3G
 上で、“最近は汚い手で腕を突っついてきたり、Tシャツを引っ張たり、手口が強引になってきました”と書きました。
物乞い=スクオッターという図式が成り立つか、否か、それは分かりませんが、仮に“=”として話を進めます。
 初代スクオッターとは...、田舎でそれなりの教育を受けたものの仕事、生活の糧を得る手段がなく、仕方なしに都市圏に出てきて、空き地や公園、橋の下などに住み着いてしまった人たちとします。その子どもたちが、スクオッター第二世代=G2、その子どもたちが“スクオッター第三世代=G3”です。第二世代は生まれ育った環境が不法居住地域ですから、まともな教育を受けることもできず、一般的な社会通念や常識を培うことも難しいでしょう。しかし、その親である初代は、それなりの教育や常識を備えていたはずです。
 第三世代ともなりますと、育てる親が不法居住地域で生まれ育ったのですから、初代とは状況が違ってきます。教育や躾、食事すらも十分でない環境で育った子供たちは、生きぬくことが第一となります。生きるための糧、食料、金を得ることにどん欲になり、一般的な常識や法律などに構ってはいられません。物乞いの行為が黙って手を出して物をねだる行為から...、腕を突っついたり...、Tシャツを引っ張ったり...、更にエスカレートしてハンドバッグをひったくったりと強引、凶暴になってきたのは、このような世代交代が影響しているように思えます。(02/08/2016更新)
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